銀行業界の企業弁護士の業務は比較的保守的です

銀行業界は取り巻く環境は劇的な変化に伴い、法的インフラも整備され、新たな問題にも柔軟に対応できるリーガルマインドを備えていることも必須

説明

銀行は、金融業界のコアとして存在していますが、あらゆる経済活動のインフラとしての機能も持ち合わせます。
中でも、決済機能と信用創造機能は特に重要で、この業界は長年に渡り法律で業務が細分化されてきました。ところが、日本版金融ビッグバンを経ての規制緩和で、証券ビジネスやネットバンキングビジネスなどへの新規参入も相次いでいます。
銀行業界は社会的な公器としての性格を持ちつつも、取り巻く環境は劇的に変化してきており、今後も業界再編や他業種との事業提携などが進んでゆくと予測できます。
金融技術の発達と共に、それを支えている法的インフラも整備されつつありますから、業界の弁護士としては、非常にやりがいのある時代になってきていると言えます。この業界に籍を置く企業弁護士に求められる能力としては、従来からの与信、受信、信託などの基本実務の熟知の他、高い専門能力を持つスタッフに対する組織内弁護士としてのサービス提供力も必要になります。
また、昨今は制度改正やIT技術の進歩で、新商品開発やリスク管理が容易になってきたため、証券化ビジネスや排出権取引ビジネスなどの新しい金融商品が開発されています。それゆえ、従来の実務を踏まえた上で、新たな問題にも柔軟に対応できるリーガルマインドを備えていることも必須です。

社会の公器としての性格が強い業界であり、利潤追求と企業倫理との兼ね合いの問題に対し直接上申するような職責の自覚も求めらる

そして、この業界では、チーム単位での仕事が多いのも特徴的で、弁護士にも専門分野の知識のみならず、専門スタッフや他部門とのスムーズな協調・協働が求められます。もちろん、社会の公器としての性格が強い業界ですから、業界に籍を置く企業弁護士にも品格ある行動が求められますし、利潤追求と企業倫理との兼ね合いが難しい問題に関しては、経営にも直接上申するような職責の自覚も求められます。他の業界に籍を置く弁護士に比べて、保守的な雰囲気が歓迎されやすいのも事実です。
銀行業界における企業弁護士に特色ある業務としては、金融コングロマリット化や、総合金融サービス業化に伴って生じる新たなビジネススキームへの法的サポートや、社内への啓蒙活動が挙げられます。
言わずもがな、この業界における弁護士の主な仕事は、契約書のチェック・レビューですが、近年は新たな類型の契約書も増加してきており、証券化などの契約書については、法務部門以外がチェックすることも業務効率化の観点から、珍しくなくなってきました。このような実態ですから、弁護士が他部門が扱う仕事について、適宜サポートをする機会は大きく増えてきています。